新潟県新潟市西区小針西2丁目12番15号

 

逆流性食道炎


<逆流性食道炎とは>
胃酸や胃内容物の食道への逆流によって、食道粘膜に炎症がおこる病気です。内視鏡検査で診断が可能ですが、食道炎の所見がなくても逆流による症状がある場合には逆流性食道炎として取り扱います。

<原因>
生活スタイル(過食、肥満、高脂肪食など)やピロリ菌感染率の低下による胃酸分泌亢進、アルコール、カフェイン(コーヒーなど)や喫煙が関連していますが、これらに当てはまらなくても炎症は起こります。

<症状>
代表的な症状は、胸やけや吞酸(酸っぱいものが上がってくる)、みぞおちの辺りが痛むなどがあります。

<治療>
・日常生活で気を付けること
腹圧がかかると胃酸が逆流しやすくなります。デスクワークなどで前かがみになったり、コルセットや衣服での腹部の締め付けに注意しましょう。肥満も腹圧上昇の原因になります。
過食や高脂肪食、アルコール、コーヒー、炭酸飲料などの飲食物は胃酸の分泌量が増加しますので、症状がある方は控えましょう。

・内服薬
多くは胃酸の分泌を抑える薬(胃薬)を内服することで改善します。生活習慣の改善で症状が消失しない場合には内服加療をお勧めします。
これでも改善しない場合には、胃腸の動きを手助けしてくれるお薬を併用します。

食道がん


<食道がんとは>
食道粘膜に発生する悪性腫瘍のことで、扁平上皮がんと腺がんがありますが、多くは扁平上皮がんです。比較的早期からリンパ節転移をきたすこともあり、早期発見と早期治療が重要な病気のため、定期的な胃カメラ検査が勧められます。
近年では高齢化や肥満などの影響で罹患者数が増加傾向にあります。

<原因>
食道がんの危険因子としては加齢、喫煙、アルコール摂取などが挙げられます。特に男性の場合、50歳頃から急激に罹患者数・死亡者数が上昇することが知られています。

<症状>
初期には自覚症状がない場合がほとんどで、胃カメラ検査で偶然見つかるほか、食事のつかえ感や胸の違和感、体重減少、声のかすれなどの症状が出てきて発見される場合があります。ただし、これらの症状が出てきたときには病状が進行していることもあるため、早めに内視鏡検査を受けるようにしましょう。

<治療>
がんの進行度や年齢、体力、持病、検査結果など様々な要因を総合的に判断して治療方針が決定されます。
病変が食道の表層(粘膜内)にとどまっている可能性がある場合には内視鏡治療が試みられます。粘膜下層以深に浸潤している場合には、手術療養や化学療法、放射線療法などを組み合わせた治療が行われます。

胃粘膜下腫瘍


<胃粘膜下腫瘍とは>
名前の通り胃粘膜の下にできる腫瘍のことです。様々な種類の組織があり、良性の腫瘍には筋細胞が増加した「平滑筋腫」が最も多く、その他に「脂肪腫」、「異所性膵(迷入膵)」などがあります。悪性の腫瘍には、「GIST(消化管間質腫瘍)」、「悪性リンパ腫」、「カルチノイド」などが挙げられます。

<原因>
何らかの遺伝子変異によって生じるものですが、詳しい原因は分かっていません。

<症状>
無症状で経過するものがほとんどで、胃内視鏡検査やバリウム検査で偶然見つかることが多いです。腫瘍が大きくなると、出血によって黒っぽい便が出たり、貧血症状、胃もたれが出現することがあります。

<治療>
腫瘍の大きさや増大傾向の有無によって変わります。大きさが1~2cm程度のものは、定期的な胃カメラ検査で経過観察します。5cm以上であったり増大傾向がある、痔核症状を伴う、潰瘍ができるなど粘膜所見がある際には、悪性を疑って超音波内視鏡検査(EUS)や超音波内視鏡穿刺吸引術(EUS-FNA)などの精密検査を行ったり、外科的切除の適応となります。

胃潰瘍


<胃潰瘍とは>
ピロリ菌感染や痛み止めの内服など様々な理由によって、胃粘膜に深い傷ができた状態のことをいいます。時に出血や穿孔(胃の壁に穴があく)によって命に関わることもあります。

<原因>
ピロリ菌の感染や鎮痛薬(NSAIDs:非ステロイド性抗炎症薬)が多くの原因となります。これ以外にはストレス、飲酒、喫煙、カフェイン、香辛料など刺激の強いものも発症の誘因となります。

<症状>
・みぞおちの痛み(胃痛)
多くの患者さんが自覚する症状の一つです。ただし約10%程度で無症状の場合もあり、特に高齢者の方は自覚症状がなく大きな潰瘍を形成することがあります。

・黒い便が出る
黒色便やタール便といった黒っぽい便がでることがあります。これは潰瘍から出血し、その血液が酸化することで黒く変化し便と混じり合うためです。

・吐き気や食欲低下
消化機能の低下により嘔気が出現したり、食欲が低下することがあります。これらの症状にともない体重減少が出現する方もいらっしゃいます。

<治療>
出血が持続していると考えられる場合には止血術が試みられます。また、胃カメラで組織検査を行うことで、悪性所見がないことを調べることがあります。悪性所見がない場合、多くは胃酸の分泌を抑える薬(胃薬)を内服することで治癒します。
これ以外にも食生活・生活習慣の改善や、ピロリ菌がいる場合には除菌治療を行うことが重要です。

胃がん


<胃がんとは>
胃の粘膜に発生する悪性腫瘍で日本人に多いがんでもあり、部位別がん罹患数は男性3位、女性4位(2019年「全国がん登録罹患数・率 報告」)となっています。深達度によって早期胃がんと進行胃がんに分けられます。
早期胃がんでは無症状のため、定期的な胃カメラ検査を行って早い段階で胃がんを発見することが重要となります。

<原因>
胃がんの発症リスク要因としてまず挙げられるのがピロリ菌の感染です。ピロリ菌感染による慢性的な胃粘膜の炎症が、胃がんの発症リスクを上昇させることが分かっています。
そのほか、喫煙や多量の飲酒、塩分の多い食事、野菜などの摂取不足が原因になると考えられています。

<症状>
早期の胃がんでは自覚症状はほとんどありません。ある程度進行するとみぞおちの痛み、胃部不快感、食欲低下、吐き気などの症状があります。また、これらは胃炎や胃潰瘍でも同様の症状が出現します。出血をすると黒っぽい便が出ることもあります。

<治療>
病変が胃の表層(粘膜内)にとどまっている可能性がある場合には、内視鏡治療が試みられます。
粘膜下層以深に浸潤している場合には、手術療養や化学療法が行われます。


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